糖尿病が強く疑われる者は、日本人男性で19.7%、女性で10.8%。ここ10年間の大きな増減はないものの、年齢を重ねるほど割合が高くなる傾向にあるとされています。(厚生労働省、国民健康・栄養調査結果、令和元年)
現代社会は高血糖にのリスクに充満している社会ともいえます。
深夜まで営業するコンビニがあり、過食や不規則な食習慣を招きやすい。血糖値を上昇させる食品を入手しやすい。デスクワーク中心の仕事環境、コロナにより室内に留まる傾向が増えた現状、ストレス過多などなど、
今回は「高血糖」のリスクと高血糖の予防についてまとめました。
あなたの高血糖度チェックリスト
健康診断
健康診断の結果表のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値は、ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を示すものです。
Hba1値を測定することで、過去1~2カ月の平均的な血統状態を知ることができます。
糖尿病になると食事や運動だけでは、HbA1cの値は下がり難くく、悪化する傾向があるので、糖尿病の悪化や合併症リスクも高まってきます。
HbA1cは、 正常値⇒正常高値⇒糖尿病予備群⇒糖尿病 と進行していきます。自分がどのあたりにあるかに留意し、対策することが大切になります。
HbA1cの指標(目安)
5.6~5.9% 正常高値
6.0~6.4% 糖尿病の可能性が否定できない
6.5%~ 糖尿病が強く疑われる
年齢や性別により正常値は異なりますが、おおむね「5.6%未満」が正常値とされます。
既に糖尿病と診断されている方の場合、合併症予防のため、HbA1c値:7.0%未満を目標にしてゆくとされています。
自分でできるチェック
次の項目の内当てはまる項目はが多いほど「高血糖」のリスクが大!
・40歳以上である
・年々体重が増加している
・親・兄弟・姉妹に糖尿病の方がいる
・食事を採る時間が不規則
・毎日、朝・昼・晩の3回規則的に食事をしていない
・ドカ食いをする
・夕食後2時間以内で寝ることが多い
・甘いお菓子・ジュースをよく採る。
・外食が多い
・野菜をあまり食べない、野菜が嫌いだ
・自家用車やバスなどを使、ほとんど歩かないことが多い。
・家にこもっていることが多く、ほとんど運動はしていない。
・ストレスが多いと感じる
・妊娠時に尿から糖が出た
高血糖の病状が出てからでは遅い?
高血糖はジワジワ体にダメージを与えても、すぐに症状が現れません。
血糖値が上がると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、血糖値が下げられます。
高血糖が続き、インスリンが量的に不足すると、すい臓はインスリンの不足を補うべく、フル回転となります。
すい臓は肝臓とともに「沈黙の臓器」と言われ、ギリギリまで音をあげないことから、酷い状況になるまで自覚症状が出にくい臓器です。
糖尿病の典型的な症状(口の渇き、多飲、頻尿、体重減など)が現れる頃には、すい臓の機能が半分程度ということもあります。
失われた機能の回復がなかなか難しいため、定期的な健康診断(採血・腹部超音波検査)を受診するようにしましょう。
隠れ高血糖とは?
隠れ高血糖とは、空腹時血糖値が正常であっても、食後血糖値が高い人のことを言います。
健康診断では、前日の夕食後は何も食べないで来てくださいとのような指示があります。健康診断では、空腹時の血糖値の測定はされますが、食後血糖値が高い「隠れ高血糖」であるというこが分かりずらい状況にあります。隠れ高血糖は、なかなか見つかりにくいものです。
「血糖値スパイク」で知られるようになりましたが、食後の血糖値というのは、誰でも上昇するものです。しかし、隠れ高血糖の人は、インスリンが少ない、もしくはインスリンが弱いことが原因で、正常に糖を運び出すことができないため、糖尿病の人と同じレベルで食後血糖値が上昇してしまいます。
空腹時血糖値が高ければ、健康診断の血糖値測定で見つかり、生活習慣の見直しや治療等の指導が行われます。
一方、隠れ高血糖の場合、空腹時には正常値まで下がるので、糖尿病の診断から漏れてしまうというケースが多いようです。
自己チェック
高血糖の方によく起こる症状が、自分に起こっていませんか?
- 疲れやすい
- 喉が渇きやすい
- 食べているのに痩せてきた
- 手足の先が冷える
- 食後の眠気が強い
- 便秘または下痢が続く
心当たりが多ければ、専門医を受診することをお勧めします。
すぐできる予防
食物繊維を採る
「野菜を先に食べましょう」と言われるようになってきました。
野菜を先に食べることで、野菜に含まれている食物繊維を先に摂ることができます。
食物繊維と糖質を併せて摂ることで、糖質の吸収がゆっくりになります。
サプリメントなどを活用するのも良いでしょう。
規則正しい生活
朝ごはんを抜くということも多いのではないでしょうか?
規則正しい食生活は健康の基本ですね。
適度な運動
適度な運動で十分です。
食後に軽く動くだけでも血糖値の下がり方が変わるので、食後は意識して動くようにしましょう。